取り組み内容

社会で求められる人材像の設定

社会で必要とされるリテラシー・ニューメラシー、数量的思考力、課題解決力の要素を明らかにし、それに対応する統計教育の体系を整備する。実社会において発生する課題と、その発見・解決に必要な能力とを具体的に把握するには、現場の実情を反映させる仕組みが不可欠である。この目的のために、統計を必要とする企業や業界の団体からなる外部評価委員会を設置し、社会から必要とされる統計教育の指針を策定させる。外部評価委員会は産業界を中心とするステークホルダーとして、出発点の人材像を指針として設定するにとどまらず、定期的に意見を表明し、設定された人材像に対応できるように、本事業の進行を確認・助言する役割を担う。また海外でも通用する能力の育成を保証するため、海外の識者からなるアドバイザリーボードを設ける。


評価基準の策定

統計学の学習到達度の判定基準として、統計関連学会連合が2010年に作成した参照基準があるが、本事業を通じて、実社会に求められる課題発見・解決能力に照らしつつ参照基準を改定する。参照基準で列挙している学習到達度の判定に適した基準を、大学のカリキュラムに活用できるように詳細に再編成する必要がある。そして再編成された参照基準に基づき標準的なコアカリキュラムを策定する。その上で、コアカリキュラムをモデルとした質の高い教育内容の普及を図るため、各大学のカリキュラムの認証機能を持つ質保証委員会を設置する。この委員会では、連携校からの要求に応じて、カリキュラムの内容や学生の達成度に基づいてカリキュラムの認証の機能も果たす。


標準的なカリキュラムの策定及びコンテンツの開発・提供

  • 統計関連学会連合の参照基準の再編成を受けて、モデルとなるシラバスを作成する。そのモデルでは基本事項を網羅しつつ、担当教員の創意工夫が発揮できるように配慮する。
  • カリキュラムでは、米国の大学における Stat101などの体系的な講義の番号づけを参考にして、それぞれの講義のレベルと体系の中での位置づけを明示する。
  • カリキュラムによる学習の効率を高めるため、良質のコンテンツ、たとえば、試験問題、レポート課題、実証分析例などをデータベース化し、e-learning を用いて連携校で利用できるようにする。また連携校における優れた講義をアーカイブ化しオンデマンドで提供する。
  • 標準的なカリキュラムに関する客観的な評価法を開発し、社会から信頼される達成度の評価を行う。上述のデータベースを活用した評価システムの開発は目標の一つである。受講者が多数となるe-learning において、客観的な評価を効率的に実施するために、同じ水準の問題を大量に備えたデータベースがあれば、効果的な評価が期待できる。この他、本連携にふさわしい形に拡充した統計検定を活用する。評価の結果から、たとえば、課題発見及び解決に関する自分の長所・短所など受講者の将来の学習に役立つ情報がフィードバックされる仕組みを構築する。
  • 連携ネットワークによる認証に基づく共通単位互換制度を設け、いくつかの連携大学では、統計学に関する学部及び大学院レベルの副プログラムや副専攻制度を導入する。

教育手法の改善のためのトレーニングの場の提供(FD)

大学教育において、教育手法について改善のためのトレーニングを積む機会が少ない。しかし、データにもとづく課題発見・解決に関する教育においては、教員は数理的な知識ばかりでなく、生きたデータに付随する多様な知見や、それを受講者に正確に伝える教育手法の習得が要求される。本連携では日本統計学会に以前から設置されている統計教育委員会と協働することによって、統計教育の手法を整理した上でFDの場を提供する。

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